東京高等裁判所 昭和34年(ツ)14号 判決
民法第七百十五条の適用に当つては、被用者の行為がその外形上使用者の事業に属するものと認められる限りたといその行為が使用者以外の者の用務に資する目的を以てなされた場合にもなお同条に所謂使用者の事業の執行につきなされた行為であると解するのが相当であつて、これを本件についてみるに、上告会社の被用者として自動車運転の業務に従事する岩楯徳治が使用者である同会社の代表者後藤与八を乗せて自動車を運転する行為は、その外形よりみれば上告会社の事業の執行に外ならないものと認むべく、本件事故当日における右岩楯の自動車運転が、たとい所論の如く訴外後藤産業株式会社の用務の為に後藤与八を東京迄送る目的に出でたものであつても、なお右の如く認めるに何等妨げはないのである。
(奥田 岸上 下関)